みなさん、こんにちは。フランス在住のYoco(@yoco_paris)です。
フランスの硬水事情についてまとめました!
この記事は
フランス在住8年目の筆者が
●硬水対策:お風呂、洗濯機など
●飲用水はどうしてる?
についてお話ししています。
フランスの硬水事情
フランスの水道から出てくるお水は硬水です。
(一部地域では軟水のエリアもあります。)
日本は軟水なので、特徴が異なります。
硬水の環境だと、水回りにカルキがつきやすくなり、シャワーの際には肌や髪
もパサつきが気になります。
日常生活では「硬水対策」をして家事や掃除をしたり、スキンケアをしています。
飲料用も水道水はそのまま飲むことはあまりなく、ミネラルウォーターや浄水して飲みます。
ネガティブな印象が多めですが、硬水を使うことで美味しくできる料理もあります。
硬水と軟水は何が違う
硬水とは?
水には主にカルシウムイオンとマグネシウムイオンが含まれていて、水1000ml中に溶けているカルシウムとマグネシウムの量を表わした数値を「硬度」といいます。
簡単にいうと、カルシウムとマグネシウムが比較的多く含まれる水が硬水になります。
引用:ミネラル量と水の硬度、硬水と軟水の違い | evian - Evian
日本の水は軟水で、ヨーロッパではほとんどの地域で硬水です。
また地域によって水の硬度が異なります。
飲んでみると、意外にも味の違いを感じられます。
ミネラルウォーターで有名なエビアンはフランス産。硬水なんですね。
出典:エヴィアン ジャパン
硬度=(カルシウム量mg/l×2.5)+(マグネシウム量mg/l×4)
※マグネシウム量mg×4.1という考え方もあります。エビアンの硬度は304mg/Lですが、日本で一般的に使われている基準にあわせ硬水と呼んでいます。
引用:ミネラル量と水の硬度、硬水と軟水の違い | evian - Evian
【硬水の影響】髪がパサつく?フランス在住者の硬水対策
フランスに住んでいると、硬水のシャワーを浴びることになります。
髪がパサつきやすかったり、肌もカサつきやすくなります。
髪や体、シャワーもカルキ対策が必要なんですよね。
7年ほどフランスに住んでいるのでもはやこれがデフォルトですが、
日本へ一時帰国するとその違いに気づくことがあります。
日本では髪の指通りや肌のもっちり具合が変わります!もちろん良くなるということ。
実家で飲んだミネラルウォーターがまろやかで美味しい!と感じます。
【フランス式スキンケア】
フランスだと、シャワーの後はビオデルマなどのふき取り化粧水が主流のケア方法となっています。
水(お湯)で洗うということは体にカルキが付着しているということだから。
日本式スキンケアはフランスでも流行っていますが、そもそも水が違うということは念頭に入れないといけないですね。
私はしっかりメイクする時以外は拭き取りにローズウォーターを使っています。
※めげずに日本の洗顔フォームを使おうにも、硬水だと泡立ちにくいです!
軟水用に作られているかららしい。
【シャワーヘッド】
我が家のシャワーヘッドはカルキ対策のものに変えています。
ヘッド部分に粒々のビーズのカルキ取りが入っているというもの。
カルキを取るだけでなく、節水、シャワーの水量の切り替え(ミストとかマッサージモードなど)があり気に入っています。
粒々ビーズの役割:カルキ取り、抗菌、中性Ph効果⇨お湯をまろやかにする
粒々のビーズは3ヶ月を目安に替えないといけないのがやや面倒ですが、お湯はまろやかになっている感じ。
カルキ対策
日本でも浴室などで気になることはありますが、
フランスなどの硬水のエリアだと見るからに白いカルキが付いて、放っておくとかたまりができてしまうほど。
蛇口のところが白っぽくなったり、電気ケトルの中が真っ白になります。
水回りを清潔に保っていても、水が乾くと勝手に付いてしまい、見た目もあまりいいものではないので厄介です。
カルキ対策には浴室用、洗濯機用にカルキ対策用品が出ていますが、私はお酢を使って対策しています。
フランスではカルキ対策、あらゆる掃除や洗濯にもお馴染みのホワイトビネガー(Vinagre Blanc)を使います。
スーパーのオリーブオイル・ビネガーコーナーに置いています。
食用だけど、食用には使わない不思議なお酢です。w
1Lあたり1ユーロ前後で安価に買えるのでバシャバシャと使うことができます!
強烈なお酢の匂いですが、砂糖などが入っている訳ではないので掃除や洗濯に使っても全く問題ありません。
むしろフランス生活においてはないと無理!
電気ケトル
毎日使う電気ケトルはある日、ふと中を覗くとカルキで真っ白になっている!!と言うことがあります。
⇨大さじ2くらいのホワイトビネガー+水を入れて30分くらい放置しておくとケトルの底の金属がピッカピカに戻ります!
ビネガー水を捨てる前に底以外の部分も掃除すると、
無駄なく全体を綺麗にすることができます。
ビネガー水を入れて沸かすと、爆速でカルキを取れるんですが周辺に強いお酢臭が漂います。w
洗濯機・食洗機
【洗濯機】
硬水で洗濯をすると、白い服がグレーになってくすんできます。
そしてごわつく。
それらの対策にはまたしてもホワイトビネガー。
ホワイトビネガーを使うと、
①カルキを取る
②柔軟剤に代わって衣類を柔らかくする
効果があります。
【洗濯槽の掃除】
洗濯槽内も定期的にカルキ対策する必要があります。(洗濯槽内にカルキがこべりつくから)
家電量販店の方曰くホワイトビネガーを一本(!!)入れて、洗濯機を洗うモードにして洗浄した方がマシンが痛まずに綺麗にできると言うこと。
Cから始まる有名なやつよりおすすめだとおっしゃっていました。
▶︎洗濯機の基本的な使い方
ケミカルなし
お酢ももちろん自然なものですが、ケミカルなものを使わずにカルキ対策する方法があります。
・ホワイトビネガーを入れる
・水道に取り付けるカルキ対策部品
・食洗機、洗濯機に入れる磁石ボール
(リンクはFrance Amazon へつながります)
カルキ対策部品は、洗濯機購入時に配送・設置してくれた業者の方が「カルキ対策部品ついてないからつけてね!」と教えて頂きました。
水道部分につけたら終わりなので楽です!
その場で売りつけられそうになったので(言い方w)一旦自分で調べてから購入しましたw
食洗機、洗濯機に入れる磁石ボールは、なんと強力な磁石でカルキの結晶を集めてくれるというもの。
⇨カルキで白く曇っていたグラスがきれいになりました!!
洗浄力アップと衣類を柔らかくする効果があります。
入れるだけでいいし繰り返し使えるのもいい!
一見ただのおもちゃみたいなボールなんですがw、効果すごい。
フランスのアマゾンの口コミでもかなり評価が高く、
むしろどんどん怪しいと思ってしまったんですが、使ってみたら新品並みに綺麗になった。
グラスが透明でピカピカだと、全然清潔感が違う!
カルキがついているのが当たり前になっていたけど、
カルキ取りボール使用後は今までどれだけくすんでたの!っていうくらいグラスが新品のように蘇って感激。
▶︎黒は黒いまま、着たいよね
フランスの水を美味しく飲むには
フランスの水道水は飲めない訳ではないです。実際、味も安全面も問題ありません。
地域によって硬度が高い場合は味の違和感を感じたり、胃腸が弱い人はお腹を下すこともあります。
パリや近郊は飲んでも特に違和感を感じるほどではありません。
ダイエットや便秘中の人がコントレックス(超硬水)を飲んでお通じを良くするってことありますよね。
フランスの人たちは水道水をそのまま飲むよりもミネラルウォーターを買って飲んでいる人がかなり多いです。もしくは浄水して飲む。
ミネラルウォーターはエヴィアンや炭酸水のペリエなど様々な種類があって好みのものを見つけるのも楽しいですよね。
価格帯もさほど高くないので、ミネラルウォーターを飲み比べてみるのも面白いです。
レストランなどへ行けば、シャテルドンなどスーパーでは見かけない銘柄のお水もあってまろやかな味と上品な炭酸に初めて飲んだ時は驚きましたw
代表的なミネラルウォーター
フランスのスーパーなどで手軽に買うことができるミネラルウォーターの一部です。
実際は種類がさらに多く、こちらに加えて炭酸水も豊富に置かれています。
エヴィアンや写真の隣のクリスタリン、ヴォルビックが硬度が高すぎず最も買われているものです。
日本の一般的な美味しいお水は10~100mg/lなので、硬度がかなり違いますね。
敏感な人は味の違いによく気がつくと思いますが、硬水だと同じものでもお茶やコーヒーの出方が違います。
軟水の方が日本茶などは濁りがなく抽出されます。
▶︎記事を読む:パリの定番お土産にしたい!お茶屋さん Conservatoire des hemispheres
普段全く飲みませんが、やむなく出先などで買ったVittelを久々に飲んだらなんとも言えない癖がある感じがしました。
不味いというより違和感?同じ水なのに面白いですよね。
フランスで軟水を選ぶ
赤ちゃんのミルク・妊婦さん向け
フランスの赤ちゃんが飲むミルクはエビアンを薦められていて広告でも良く見かけますが、軟水のMont Roucousも赤ちゃんや妊婦さんに優しいのでおすすめです。
硬水でお腹を下しやすい人は軟水がいいかも。
フランスでお米を炊く
Mont Roucousは日本の軟水と同じくらいなのでお米を炊くのにはとても適しています!
パリのお寿司屋さんが日本のお米は軟水で炊く方がもっちり美味しくなるとおっしゃっていたのを聞いてから我が家は米用のお水として使っています。
和食・洋食に合うお水
お水と食事はやっぱり地域が大きく関係しています。
硬水に対してネガティブなイメージが多いですが、硬水だから美味しくできる料理もあるんです。
⇨ブイヨン、ポトフ、スープ、パスタ(茹でる水)、パエリア、(牛)肉の煮込み など
やっぱりヨーロッパな料理が多いですね、理に適っているということ。
【硬水の特徴】:灰汁がしっかり出る、野菜が煮崩れしにくい、硬水の成分で肉を柔らかくする、硬水の成分で野菜の旨みを抽出させる など
一方で、和食はやはり、軟水の方が向いているものが多いです。
和食で大切になる出汁を摂るには軟水が向いています。
乾燥昆布を硬水に浸しても出汁が取れにくいので、方法としては前日くらいから軟水に浸してじっくり抽出させるのが良い。
▷プロの料理人の方がフランスで昆布出汁を取るのに苦労した
ペットボトルの軟水を使っても出づらいので、前の日に昆布を小さく切って水に入れ、ひと晩水出ししてから火にかけてと、かなり時間をかけて、やっとだしをとった
引用:水質の違いを操れば料理の味は思い通りになる。「レストラン・ラフィナージュ」高良康之さん - 料理王国
作る料理によって水を使い分ける!ってこれまでなかった発想でしたが、余裕があるときは取り入れたいですよね。
フランスで作る和食は特に貴重(材料費も割高なので)なので美味しく作りたいですし。
▶︎記事を読む:フランス生活では自炊必須!日常的に作っているもの
ヨーロッパの日常的な料理は大きなお鍋で煮込みを作ることも多いので琺瑯鍋があるとかなり便利です。
▶︎毎日使える琺瑯鍋!ル・クルーゼ派?ストウブ派?
▶︎海外で和食を作るときに、アレがないこれがない!
フランスで代わりになるものをリストにしました。
【ネスレ】ミネラルウォーターに関するスキャンダル
2020年の従業員からの内部告発から数年後、今回のスクープ記事によって、ネスレは水源が汚染していたことを隠し、何年もの間、禁止されている精製システムを使用し、水域の安全を維持してきたことが明らかになりました。
2024年に世界最大手のネスレのスキャンダルがフランスでもかなり話題になりました。
ミネラルウォーターの水源が汚染されていたことを隠蔽し誰もが知っているミネラルウォーターが「安全ではなかった」という事実が発覚してしまいました。
フランス在住のRikaさんの記事がわかりやすいのでシェアさせて頂きました。
お金を出して安全や品質を買っていたはずが、騙されてしまったのはとても許し難いことですよね...。
これをきっかけに徹底して安全なものを提供して欲しい。
本日もお読み頂きありがとうございました!
▶︎フランスの一般的な家庭料理 我が家でよく作っているもの
▶︎置き型タイプはpose libreと言います。工事なしで取り付けできる◎