皆さんこんにちは、今日は息子のパスポート申請時に「日本国籍を失うことになる」かもしれなかったお話しです。
日本人の私、ポルトガル系フランス人の夫と生まれた息子がフランスに住んでいるので話が結構ややこしくなります・・。
ある日、息子の日本パスポートを申請しようとしたら、手続きが結構複雑でした。
●EU夫と第三国で生まれた息子の国籍はどうなるのか?
●日本とフランスの国籍に関する大きな違い
●息子が危うく日本国籍なくなるところでした..
結果として人より少し多めに書類が必要でしたがw息子は無事に日本パスポート取得をでき、日本国籍もこれまで通りあります。
【国際カップル】子供の日本パスポートが取得できない?!知らなかった国籍法の話
息子のパスポート申請の話の前に軽く家族の紹介を..。
私の夫はフランス人でもありポルトガル人です。
夫の家族がポルトガル人なのでポルトガル人の血と言うことです。
生まれ育ったのが、フランスと言うことでフランス人でもあります。
この時点で日本で生まれ育った私からすると話はややこしかったのですが、フランスにいると結構いろいろなルーツの方に会うのでへぇで済む話だったりします。笑
日本で結婚手続きをしたのですが、その時は日本人とポルトガル人として結婚しました。その後私は夫の住むフランスに移住しました。(だからややこしいっ・・)
息子が生まれ、息子は日本国籍をもちろんすぐに取りました。
(在フランス日本大使館で出生届を出すと、私の戸籍謄本に反映されます)
フランスでこれからも育っていく予定なのでフランス国籍も持っています。今後日本に帰省などの場合はフランスと日本の二重パスポートでやっていくつもりでした。
多国籍の息子は日本国籍を喪失することになる
息子のフランスパスポートは市役所ですぐに取得して、次は日本パスポートをと、日本大使館で申請したら思わぬことを言われてしまいました。
「このままだと、日本国籍を持つことはできないですよ」
???
パリの日本大使館の方に言われて全く意味がわからなかったのですが、日本とフランスでは国籍に関するルールが異なるので、我が家が進めている方法だと息子は日本のルールでは日本国籍を持つ資格が無くなってしまうことが判明しました。
ここでの問題点は日本の国籍法だと、私達親が選択した外国籍(フランス)を息子が保持することで日本国籍を喪失することになるにこと。
なぜ「外国籍」になるかというと、戸籍謄本に夫がポルトガル 人であると書かれているの為、本来なら息子はポルトガル国籍を有する必要がある。
息子がフランス国籍をもうすでに取得しているとなると、日本でもポルトガルでもない外国籍を取得したことになり、日本国籍を喪失=日本パスポートは取得できないことになる。
日本とフランスの国籍法の違い
ここで日本とフランスの国籍法に関する大きな違いがある事がわかりました。
フランス:フランスで生まれた人は親の国籍に関わらず、フランス国籍を取得する事ができ、かつ親の国籍を持つことも可能。重国籍を認めている国。
日本:親の国籍でない国籍を選択すると、日本国籍を放棄せざるを得ないという事です。そもそも日本国籍を持つには父母どちらかが日本人である事が必須。(帰化の場合は割愛するとして)
息子は日本人とポルトガル人の間に生まれたのでポルトガル国籍と日本国籍を持つ事が可能ですが、 親の国籍ではないフランスをあえて選択する場合は日本国籍は捨てなければならないというのが日本の国籍法。
そういえば、パリで生まれた日本人カップルのお子さんがフランス国籍を持っているのかと思いきや「取得できない」という話を聞いた事がありやっと謎が解けました。
(国籍の喪失)
第十一条 日本国民は、自己の志望によつて外国の国籍を取得したときは、日
本の国籍を失う。
2 外国の国籍を有する日本国民は、その外国の法令によりその国の国籍を選
択したときは、日本の国籍を失う。
第十二条 出生により外国の国籍を取得した日本国民で国外で生まれたもの
は、戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)の定めるところにより日本
の国籍を留保する意思を表示しなければ、その出生の時にさかのぼつて日本
の国籍を失う。
フランスで生まれた子供の国籍とは?
大使館の方に夫はフランス国籍も持っていることを話すと話が変わってきました。(先に言えよ!)
提出書類(戸籍謄本)には夫がポルトガル 人であるという記載しかないのですが、夫はフランスパスポートも身分証明証も持っています。
夫がフランス人であれば日本のルールとしても問題なくなるので「息子がフランス国籍を持つ理由がある」ということになり、日本国籍をもちろん継続して保持できるし、日本パスポートも発行可能になるとおっしゃいました。
..良かった。
フランスサイドではそんな話聞いたことないし、手続き時も問題なかったので今回の日本パスポート申請では一瞬焦りました。
フランスに住めばわかりますが、フランスにはとにかく様々な国籍ルーツの【フランス人】がたくさんいるので、私も疑問には思わなかったのですが、あくまで国によって国籍に関するルールが異なるという事がわかりました。
フランスで生まれた子供はフランス人になる事ができます。ならなくてもOKだし、複数の国籍を持ってもOK。
日本パスポート取得のための戸籍記載事項変更
息子が日本パスポートを取得するにあたり、下記の手続きが必要でした。
●戸籍謄本の記載事項変更
●記載事項変更の為の書類提出
私の戸籍謄本に夫がフランス人であることを追記する必要があるということです。
戸籍の情報が変わる場合は然るべき手続きが必要なのですが、フランスに住んでいる場合は日本大使館が経由してくださって記載事項変更をしてもらう事ができます。
変更事項の反映には1ヶ月半ほどかかります。
日本大使館への提出書類
夫がフランス人である証明をする必要があり、証明書類とその翻訳翻訳し、戸籍謄本の変更手続きを行いました。(手続き多い・・・。)
これで、私の戸籍謄本に夫がポルトガルとフランス国籍保持者であるという証明ができ、息子が日本パスポート申請をすることができるようになりました。
>>>在外日本人がパスポート申請に必要な書類
- 海外
- 1 一般旅券発給申請書(10年用又は
- 5年用) 1通
「ダウンロード申請書」又は手書き書式の申請書が使用できます。- 戸籍謄本又は抄本(原本を必要とします) 1通
- 写真(縦45ミリメートル×横35ミリメートル) 1葉
- その他参考となる書類
(必要に応じ本人確認,滞在資格を確認できるもの)
(注)詳細については,申請先在外公館にお問合せください。(記載事項に変更があり,新たにパスポートを申請する場合)
- 有効旅券
返納していただき,失効処理をいたします。残存有効期間は新しい旅券の有効期間には加算されません。
日本国内及び海外でパスポートに関する申請手続きに通常必要な書類|外務省
日本大使館に下記の書類を追加で提出しました。(パスポート申請時に記載事項変更手続きを同時に行ったため)
【夫の国籍を証明する書類】
・certificat de nationalité(帰化証明)+日本語訳
・act de naissance(フランス戸籍謄本)+日本語訳
・pièce d'indetité(フランス身分証明)のコピー
→大使館で手続きの時点では私の戸籍謄本に夫がフランス人でもあると反映されていなかったた為関連書類を同時に提出しました。フランス国籍だと入ったものをすでに持っていたら一般的な申請書類のみで行けるはずです。
※日本語訳は私が行い、サインしたものでOK
★大使館を経由して手続きする事で、日本の戸籍に反映させる手続き行いました。
国籍に拘らない未来を希望する(まとめ)
マニアックなトラブルでしたが(いつもw)一件落着できて安心です。日本にいた時にはあまりわかっていなかったのですが、フランス(ヨーロッパ)にいると「国籍とは何か?」と思えてくる事があります。ルーツが様々すぎて。
実際EUはそれぞれ別々の国々であっても行き来が自由で、ある程度同じルールで過ごす事ができます。そうなると〇〇人と一つの国籍を当てはめるには複雑すぎる時もあって国籍にとらわれず個人として見る事が大事なのかなと思えてきます。
そう思うようになったのは身近にまず夫の存在があり、様々なフランスの人達と出会う環境になったからです。
何より今は息子を持ったので、息子が生きやすいといいなと思うばかりです。私もすっかり親です。
自分は〇〇人と決めたり、否定したりせずただ個人として楽しく生きて欲しいと思うからです。
本日もお読みいただきありがとうございました。