みなさん、こんにちは。フランス在住のYoco(@yoco_paris)です。
今日は、フランスの子供たちがいつから一人で外出・お留守番できるのか?について
お話しします。
フランスの子供たちは、
・通学に保護者の送迎必須
・「お留守番」していると、近所の人に通報されかねない
・はじめてのおつかいはあり得ない
日本の小学生は一人で通学するのが当たり前ですが
場所が変わればあり得ないことなんですよね。
自立心とか自由の制限とか大丈夫なんだろうか?
と思っちゃいますが、それ以上にルールで守られている必要な理由がありました。
どこへ行くにも送迎は正直、親としては大変なことですが、
一緒に行ってくれる貴重な時間として過ごしたいですね!(そう思うしかない!w)
フランスの子供が一人で外出できるのは何歳から?
フランスの子供たちはある程度の年齢まで、
保護者なしで「通学」「友達の家へ行く」「子供だけで公園で遊ぶ」ことができません。
日本では小学1年生から歩いて学校へ行くことになっていますが、
フランスに住んでいると、見るからに小さな子供たちが保護者なしで歩いていることはまず見かけません。
一方で、日本を旅行したフランス人の友人はカルチャーショックを受けていました。
小さな子供が一人で歩いていたり、電車に乗っているのにびっくりした。
そういう子供たちを何人も見かけた!と。
フランスは基本的に小さな子供だけで外出させることや留守番させることは法律に触れるレベルのタブーです。
日本の感覚だと、もう大きいから大丈夫!とかちゃんとルールを守ればOK!と思うかもしれません。
おつかいだって、自立心を育てるのに良いことだとさえ思っていることもありますよね。
「はじめてのおつかい」は児童虐待?!
フランスやその他の国においては
日本の「はじめてのおつかい」の番組はあり得ないこととされています。
ネットフリックスで世界に配信されたことで、様々な意見が出てきて話題になりました。
本来、子供たちが頑張る姿が感動的だったりするのですが、
2~6歳くらいの特にまだ小さな子供たちがおつかいをすることに対して文化が違えば見方が全く異なります。
・子供だけの外出(買い物)は親が責任を保護する放棄している児童虐待に当たる
・治安が良いから成立することであって、日本以外では無理
など
ま、あれはテレビ番組ですし隠れているようなバレバレのスタッフの人がたくさんいるので、
「リアル」ではないものの、番組を観て「児童虐待だ!」とまで思う人もいるんです。
子供を危険な目に合わせたり、虐待などはもってのほかですが、
保護者なしでの外出やお留守番・公園で子供だけで遊ばせることが
同じように「子供を危険な目に合わせていること」に含むという考え方なので、
フランスにおいては実際におつかいをさせることは法律に触れる可能性があります。
また、周囲から通報されたり、保護者の保護責任を問われる可能性があります。
▶︎子供の権利は飛行機に乗る時も気をつけましょう。
何歳まで学校や習い事の送迎をするのか?
フランスでは、保護者による学校への送迎は小学生の間は続くのが一般的です。
習い事や、お誕生日会などで友達の家へ行く場合も同じ。
年上の兄弟がいたり、家庭によっては異なる場合もあるかとは思いますが。
フランスの小学生は6歳〜10歳です。
学校は8:00~16:00の間で通うので、
実際問題、送迎は親にとっては結構大変なことです...。
学童を利用すれば、公立の場合は19時ごろまで預けられますが、
子供だけで行き来できないってことは親もオーガナイズするのが大変です。
シッターさんを利用する人たちがいるのも当然..。
当然交通機関も子供だけでは乗ることができないし、
フランスはスクールバスは基本的にない。
▶︎日本と少し違うフランスの学年と学位
中学生(11歳〜14歳)になると、
多くの子供が一人で学校に通ったり、習い事や友達の家に行ったりするようになります。
子供だけの初めての外出が中学生というのはかなり驚きますよね...!
*実際には、明確な年齢が決められているわけではないので、
家庭内で話し合って決めることが大切です。
知人のお子さんは小学校高学年から一人で通学していました。
日本では小学校低学年の子供たちだけで自転車に乗って出かけたり、公園で遊ぶことができると思いますが、フランスでは本当に見かけない...。
▶︎4~11歳向けの交通機関乗り放題パス もちろん保護者と一緒に出かけましょう!
お留守番や子供だけのおつかいはできない理由
日本ではできても、フランスでは当たり前ではない子供だけのお留守番やおつかい。
なぜできないのかという理由は、
①法律に触れる可能性があるから (通報される)
②子供が犯罪に巻き込まれる可能性があるから
フランスの法律では、子供だけを家に残したり、一人で外出させたりすることは、場合によっては児童虐待として扱われることがあります。
お留守番の年齢:
一般的に10歳未満の子供を一人で留守番させることは避けるべきとされています。
10歳以上の子供でも、短時間であるか、親が近くにいる場合に限ります。
おつかい:
子供が一人でおつかいに行くことに関しても、年齢や子供の成熟度によりますが、通常は12歳以上が目安とされています。
10歳くらいでも十分できる年齢ですが、子供が一人で買い物していたりすると周囲の大人は不審に思う人もいるかもしれません。
具体的に法律に○歳までダメと決められているわけではないものの、
社会的に【小さな子供が保護者なしで出歩いている】ことはタブー。
通報のリスク
保護責任... 子供を危険な状態に置くことは、フランス刑法第227-1条で禁止されています。幼い子供を一人で留守番させたり、外出させたりすることが含まれます。
・通報の可能性...近所の人や学校から通報される可能性があるため、親は子供の安全を確保する義務があります。
▶︎文化が違うと色々やっちゃいけないことがある
法律や条例
フランスの法律では、親が子供の安全を守る義務が明示されています。
関連する法律を引用し、その翻訳を載せています。
フランス刑法 第227-1条
Le fait, par le père ou la mère, de se soustraire, sans motif légitime, à ses obligations légales au point de compromettre gravement la santé, la sécurité, la moralité ou l'éducation de son enfant mineur est puni de deux ans d'emprisonnement et de 30 000 euros d'amende.
(翻訳) 父または母が正当な理由なく、その法的義務を回避し、未成年の子供の健康、安全、道徳、または教育を著しく危険にさらす行為は、2年の禁固刑および30,000ユーロの罰金に処せられます。
フランス家族法 第375-7条
Les père et mère exercent en commun l'autorité parentale. Ils ont le devoir de protéger la sécurité, la santé et la moralité de l'enfant mineur.
(翻訳)父と母は共同で親権を行使します。彼らは未成年の子供の安全、健康、および道徳を保護する義務があります。
【誘拐】子供が犯罪に巻き込まれる可能性がある
子供が中学生になるまで一人で外出もできないのは、
なんとなく自由が制限されていたり、自立が遅れるような気もしますが、
やはり犯罪に巻き込まれるリスクがあるからこのような社会のルールがあるんですよね。
個人的にはテレビのニュースはほとんど観ませんが、
それでも子供の失踪事件の情報はSNSやネットニュースで目にする機会はあります。
場所が変われば、社会のルールも変わります。
子供たちが安全に遊ぶことができるのは、
幸せなことですが、当たり前ではないのかもしれません。
かといって、制限ばかりするわけにもいかないので、ある程度の年齢になれば、子供との話し合いも必要になりますね。
みなさんの参考になれば、幸いです。
▶︎フランスの子育ては良いことばかり言われるけど、実際は...
本日もお読み頂きありがとうございました。