フランスの大統領と首相はどっちが偉いのか?

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みなさん、こんにちは。フランス在住のYoco(@yoco_paris)です。

 

今日はフランスの大統領と首相の役割について書いています。

 

 

ニュースでよく聞くけれど、

 

・どちらがどんな権限を持っているのか

・結局どちらが「偉い」のか? など

 

 

はふわっとしか分からないという人も多いのではないでしょうか?

 

政治については難しいことも多いので、

あくまで「知っておいた方がよさそう」という基本的なフランスの政治について書いています。

 

 

 

 

 

 

 

フランス の大統領と首相はどっちが偉いのか?

 

フランスには大統領首相という二つの重要な役職があります。

 

 

どっちが偉いのか?というと、

 

フランスでは大統領の方が首相よりも強い権限を持っています。

 

 

「議員内閣制」と「大統領制」を組み合わせた政治体制を取っており半大統領制と言います。

 

 

フランスに住んでいると、二人いることは知っていると思いますが、

そもそも両方いたんだ?!と思う方もいるかもしれません。

 

 

2024年7月現在、こちらのお二人が現職です。

 

大統領:エマニュエル マクロン(46)

首 相:ガブリエル アタル(35)

 

 

80代議員や大統領がいる国々もある中で、

フランスのトップ若いな〜と思いますよね。

 

 

アタル首相は歴代最年少(当時34歳)で選出されました。

 

日本のニュースなどで登場するのが多いのはマクロン大統領だと思うので、

大統領の方が知名度は高いかもしれません。

 

 

 

権限

フランスの政治システムでは、大統領の方が首相よりも強い権限を持っています。

 

特に外交や軍事に関しては、大統領が最終決定権を持っています。

 

 

大統領と首相の役割とは?

 

 

大統領の役割

フランスの大統領は国家元首として重要な役割を担います。

 

・外交政策の指導...国際関係を管理し、他国との交渉や条約締結を行う

 

・軍の最高指揮官...フランス軍を統括し、軍事行動の最終決定を行う

 

・内閣の任命...首相を任命し、首相の提案に基づいて他の大臣を任命する


・議会解散権...必要に応じて国民議会を解散し、新たな選挙を実施することができる

 

 

 

首相の役割

 

首相は政府の長として日常的な行政運営を担当します。

 

 

 

・内閣の運営...大臣たちと協力し、政府の政策を実行する


・法律の施行...議会で可決された法律を実際に施行する責任がある


・議会との調整...議会と協力して法律の制定や予算の承認を進める

 

 

ざっくりいうと、

 

*フランスの大統領は外交と軍事を主導

*首相は内政と経済を担当

 

と言えます。

 


 

 

 

大統領と首相はどうやって選ばれる?

 

フランスの大統領は、国民の直接選挙によって選ばれます。

一方、首相は国民の直接選挙ではなく、大統領の使命⇨議会の承認により決まります。

 

詳しい流れは下記に。

 

【大統領選挙】

 

1. 第一回投票:全候補者が立候補し、国民が投票します。

過半数を得た候補者がいなければ、上位二名が次のステップに進みます。

 

2. 第二回投票:第一回投票での上位二名が再度競い、ここで過半数を得た候補者が大統領に選出されます。

 

 

【首相の選出】

 

首相は国民によって直接選ばれるわけではありません。

 

 

1. 大統領の指名:大統領が適任と判断する人物を首相に任命します。


2. 議会の承認:任命された首相は、議会の信任を得るために、政府の方針を説明し、承認を求めます。

【任期について】

 

・大統領の任期: 5年(連続2期まで再選可能)

 

⇨現職のマクロン大統領は2017年、2022年の再選で現在二期目

 

 

・首相の任期: 固定されていない(大統領の任命と議会の信任に基づく)

 

⇨首相については任期が決まっていないが、次のような理由で解任となる場合がある

 

大統領の任期中: 大統領が任期を全うする限り、その間に首相が解任されない限り、首相は在職を続けることができます。

 

議会の信任: 首相は国民議会の信任を得る必要があります。信任を得られない場合、大統領は新たな首相を任命することができます。

 

政治的理由: 政治的な理由や情勢の変化により、大統領は首相を解任し、新たな首相を任命することができます。

 

再選については特に制限なし。

 

 

 

大統領と首相の関係性

フランスでは、行政権を大統領と首相が分担していますが、

 

大統領と首相が同じ政党や政治的志向を持つ場合、円滑に協力して国を運営します。

 

 

大統領と議会の多数派が異なる政党である場合、首相が異なる政治的背景を持つことになります。

 

*この状況では、大統領は主に外交や安全保障に集中し、首相が内政を主導する形となります。

 

⇨ここが2024年7月現在、最も懸念されていること。

7/7の選挙の結果次第では首相が異なる政党になる可能性が高いと言われている。

 

 

▶︎フランスの選挙で初めて国民議会選挙で首位を取った

国民連合(RN)が有力ではないかと言われている。

 

 

極右といえば「移民排除」を政策に掲げている政党でリーダーは28歳のバルデラ氏...。

単独首位でなければ首相にはならないと宣言しているのですが、まずは選挙の結果を待つしかない。

www.parisimpleco.life

 

 

コアビタシオンについて

フランス語で「同居」、「同棲」を意味する名詞。

 

転じて、フランス第五共和政において、所属勢力の異なる大統領首相が共存する状態を指す。

右派政党の大統領と左派政党の首相、逆に左派政党の大統領と右派政党の首相のような組み合わせのことを、特に「保革共存政権」などと呼ぶ。

引用:ウィキペディア

 

Cohabitation(コアビタシオン)は過去にも例があり、

1997-2002にはシラク大統領(右派)の下でのジョスパン左派内閣が直近の例である。

 

 

⇨大統領の権限には首相の同意が必要なものもあり、(例えば法案拒否権

大統領はコアビタシオンの状況下では影響力を縮小されることも考えられる。

 

 

 

 

フランスの大統領と首相の違い(まとめ)

 

 

フランスの大統領の方が強い権限を持っています。

 

特に、外交政策や軍事指揮など、国家の重要な決定においては大統領の役割が大きいです。

 

しかし、首相も日々の行政運営や法律の施行において重要な役割を果たしており、

両者が協力して国を運営することが求められます。

 

 

選挙の結果によっては、政策が大きく変わる可能性があり、フランスに住んでいる日本人にとっても、外交相手の日本という国にとっても大きな影響が出ることがあります。

 

基本的な仕組みを知ることで、フランスの政治やニュースの内容などがより分かりやすくなるかと思います。

 

 

 

本日もお読み頂きありがとうございました。

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